教習指導員、警報級の雪の中、仕事帰りに通行止め渋滞にハマる

2年ぶりの積雪を都心部で迎えた15:00。横浜市の自宅まで4時間半

去る2月5日、あらかじめ予報されていました首都圏の降雪は皆さん、どのようにお過ごしになられていたでしょうか。
私はこの日、2件の仕事を終えまして15:00から帰宅の途へとついたのですが、そこにこのニュースで書かれていることを体験いたしました。40分渋滞にハマって移動できたのが160mというこの過酷な「雪の日の渋滞」について書いていきたいと思います。

「ほぼすべての高速道路封鎖」の恐怖

仕事を終えて15:00に中目黒を出発した私を待ち受けていたのは、首都高の路線で予防的通行止めが出ている状況でした。渋谷線や池袋線、山下トンネルにレインボーブリッジと多岐にわたる他、神奈川や埼玉でも高速道路が封鎖されていました。というか、レインボーブリッジって簡単に封鎖できるじゃん。

神奈川県は第三京浜道路と東名高速道路も封鎖、下道を通って横浜市に戻るには丸子橋を通るか国道246を通るか、はたまた大師橋か登戸の多摩水道橋か。どちらにしろ多摩川まではいかねばならず、自宅から近いのは国道246でした。
国道246はやはり多摩川あたりを境として東京と神奈川をつなぐ大変重要である道路にも関わらず片側2車線であるため、交通量と道路が似合っておらず慢性的な渋滞で有名な道路となっております。国道246を目指します。

山手通りから玉川通りへとむかうはずが…

15:00の山下通りが上下線ともに混んでいます。それまで「さっき雨が降っていたからそれほど積もらないんじゃないか」などと思っていた甘さを横殴りするぐらい大きな雪の粒がフロントガラスに勢いよく叩きついています。ただでさえ渋滞の多い中目黒付近に加えてその天候のため、余計に車列の足取りは重いです。

と、google mapが野沢通りを通るルートを提案してきました。各地の渋滞情報などから最短で目的地へ到着できるように常にコースを練ってくれるgoogle mapならではの提案に乗ります。
クルマが五本木交差点などを通過します。速度はみな30km/hほどで車間距離も平常時より開いています。滑ることを警戒してのことでしょう。
環状七号へと出まして、google mapはそこから国道246へいたる上馬交差点進入ではなく世田谷通りへと案内していきます。後で思い返すと、この選択が1つ目の分岐点だったと思われます。

降雪により様変わりする街をゆく

世田谷通りからは弦巻を通ります。ある程度通り慣れている道路のはずですが、積りだした雪景色により街の雰囲気は一変しているため、知らない道路を走っているかのようです。
東急田園都市線桜新町駅の前には路上駐車がいつも多いのですが殊に、おそらく電車で駅にたどり着いたであろうご家族などのお迎えとして路上待ちをされているのではないかと、路駐列から車体のおしりをはみ出させているSUVをながめながら用賀と玉川通りの間へと進み、やっと首都高渋谷線の下まで来ました。
みんな考えることは同じらしく、その高架下から国道246への合流まで20分程かかりました。通常ですと5分ぐらいしかかかりません。

タイヤ館パドック246とジャガーの交差点まで来ました。google mapで混み具合を見てみますと、ここから多摩川を越えられますとさほど目立った混雑はなさそうです。ここから渋滞列が進むまで気長に待つとしましょう。

玉川通り（国道246）からは、誰もが一歩も動かない

一向に進みません。16:20に到着してから17:00まで経過して、進んだのは160m（たとえば神奈川県立県民ホールから横浜産貿ホールまでぐらいという、隣同士のビルの距離）。いや、ほふく前進でももっと進めます。
なぜだろうともう一度google mapを見てみます。国道246で通行止めの表記などはありません。渋滞を示す赤い表示もなく、青い線が自宅までを導いています。
Xで検索してみますと、国土交通省のアカウントが、「国道246の瀬田トンネル通行止め」とのこと。これはまさかでした。
google mapにこの情報が反映されていないため、東京都内から神奈川へと向かう各ドライバーたちはここに集められて、長い列を作って通行止め解除にならないどころかもっとひどくなる雪の中をみんなで立ち往生する、しかもこの情報はラジオで数十分おきに流れる交通情報センターのひとことぐらいでほかにドライバーに情報なしという地獄絵図が繰り広げられているようでした。

まさか高速だけでなく下道まで封鎖するとは…と思いながらなんの気なしに車載カーナビの画面を眺めますと、すぐの脇道から環状8号へと行けそうなルートを見つけまして左折、40分の間に雪の積もった路地を抜けて環状8号へ到着することができました。

さっきの渋滞に比べたら、よっぽど天国

環状8号を進みますと多摩美大への右折待ちは直進レーンまで渋滞列を作っておりますのでそこはパスしまして、上野毛駅向かいの上野毛通りへ右折します。
急な下り坂でなおかつ狭いカーブでもありますので、普段通りのブレーキやハンドリングでもスリップして制御不能になり複数台を巻き込む玉突き事故のリスクが常に頭をよぎりながら私を含めみな慎重に下ります。二子玉川公園を右折しまして二子玉川駅前までやってまいりました。「突き当りの交差点を曲がれば多摩川を越えられる橋にでる」というその交差点は、左からの多磨・洗足方面から右への二子玉川・狛江方面の車で長い長い列ができています。そう、我々のような交差点の途中でその列に合流する車たちが各交差点にいる状況なのです。長くなり渋滞するのは当然です。
しかし、さきほどの国道246にくらべたらまるで「よどみなく流れている川のよう」な車の列に合流、やがて多摩川を渡り国道246へ出てきます。それからが、降雪による渋滞が嘘のような、普段よりも断然すいているこの国道を進んでいきます。

それはそれで注意点も

人間、緊張状態が長く続いた後に安心できる状況へ変わりますと気が緩む傾向にあるようですので、気を引き締めてすいた二車線を進んでいきます。というのも、車が常に通っている道路での多少の降雪は、みんなが通っている轍（車輪の跡）の部分は意外と雪が積もる前に次の車が通るために大丈夫だったりしますが、ここは通行止めをくらっている都内の国道246の車の列がまったく到着していないために、うっすら車道面に積雪が認められます。60km/hの道路を40km/h以下で走行し、ブレーキも日ごろの2倍長く走行します。
だというのに、左車線にいる私たちの車列に車間距離を詰めてくる車がちらほらいまして、その車たちはしばらくするといつも通りのスピードで右車線へと流れていきます。きっと、長い渋滞が抜けられて解放感を味わいながら楽しく運転されているのでしょう。

家に到着するまでの間に車の流れが悪くなり、なんだろうと進みますと右車線で2台の車がクラッシュしてみなそれを避けている、という状況が4組ほどありました。油断は禁物です。

住宅地での運転

住宅地も用心です。雪に慣れていない我々が運転しているため、右折のタイミングが通常時よりも慎重になり車の流れがゆっくりになったり、雪とくもりがサイドミラーに張り付いて安全確認に時間がかかったりします。

神奈川県内、特に横浜市の住宅地は「細く、カーブがきつく、坂」が多い上に雪ですので、たとえば急坂をのぼるときもタイヤが雪によって空転しないように慎重に低速ギアでゆっくり上ることがおすすめで、さらに地形が頭に入っている場合、坂と細い路地をなるべく避けることも必要になります。足を取られている歩行者は道路の端を歩きにくく、ベビーカーや自転車を押している人もスムーズに歩けなくて思わぬところで止まってしまったりするからです。
トラックにもご用心。宅配などのトラックは雪でもあちこち配達しなければならなく、しかし雪の影響などで遅れたりする場合に焦るドライバーもいるため、交差点などでこちらが優先でもトラックが入ってこようとしている場合には「お互い様」と譲って差し上げるのも一つの方法かもしれません。

そんなこんなで帰宅は19:30過ぎとなり、いつもより集中力を使ったために疲労感がとんでもなかったですが、自宅で国道246の渋滞のニュース放送を見て「まだ全然ましだったのだな」と思い直しました。
これからも変わった状況下での運転がありましたらまた執筆させていただこうと思っておりますので見かけられましたらまたどうぞ読んでやってくださいませ。

こちらにもレポートがございます。

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